公共交通機関

日本でタクシーを利用する方法

観光で日本に来ている外国人の中には、公共交通機関の乗り換え方法を覚えるよりも、運転手に移動を任せられるタクシーを使いたいと思う方もいるでしょう。

また、日本で就労している外国人の中にも、仕事の移動でタクシーを使う方がいると思います。

今回は、日本のタクシーの仕組みとその利用方法についてまとめましたので、ぜひ参考にしてみてください。

タクシーの利用方法

乗車から降車まで、タクシー利用の流れを見ていきましょう。

乗車

タクシーを捕まえる方法はいくつかあります。

  • 手を挙げて止める
  • タクシー乗り場で待つ
  • 電話やAppで配車してもらう

どの方法でもタクシーに乗ることができますが、待ち時間や追加料金が発生するものもありますので、その時その時で最適な手段を選ぶようにしましょう。

手を挙げて止める

タクシー利用者の多い都市部であれば、大きな道を多数のタクシーが走っています。これらのタクシーは「流し」と呼ばれ、道路を走りながら乗客を探しているのです。

タクシー前面にあるサインが「空車」になっているものは乗れますので、手を挙げて止まってもらいましょう。

「空車」のサイン 画像引用元:日本交通タクシー公式サイト

他にも以下のようなサインがありますが、空車以外は乗ることができないので注意してください。

サインの状態説明
空車誰も乗せておらず、乗車できる状態。
賃走すでに他の乗客が乗っている状態。
迎車配車された状態。すでに決まった客のところへ向かっているので、乗ることはできない。
回送点検に向かっているなどの理由で乗車できない状態。
貸切他の乗客による貸切となっていて、乗車できない状態。

なお、乗車時はタクシー後方のドアが自動で開くので、自分でドアを開けることはありません。

タクシー乗り場で待つ

大きな駅のそばなどにはタクシー乗り場が設けられています。乗客のいないタクシーはここに戻ってくるので、道路で探したりせずに乗車することが可能です。

ただし、金曜の終電が終わった深夜など、時間帯によっては乗り場が非常に混雑します。人が多いときに長時間待たなければいけない点はデメリットですね。

電話やAppで配車してもらう

タクシー会社に直接電話したり、専用のAppを利用したりすることで、自分の指定した場所にタクシーを呼ぶこともできます。

タクシーを道路で探す必要も、タクシー乗り場で長時間順番待ちをする必要もありませんが、配車料金が追加でかかる点に注意です。

お金に余裕がある場合か、周囲に流しのタクシーやタクシー停留所がない場合に利用しましょう。

タクシーの配車ができるAppとしては、たとえばJapanTaxiがあります。

ただし、タクシー会社に直接電話した方が配車の確実性は高いので、Appは選択肢の一つくらいに思っておくと良いですね。

乗車人数について

通常のタクシーは4人まで乗ることができます。この場合、3人が後部座席に座り、1人が助手席に乗ります。

たまに見る大型やワゴンのタクシーでは5人以上乗れることもありますが、基本的には4人までという認識でいた方が良いですね。

ちなみに、スーツケースなどの荷物はタクシーのトランクに積むことができます。一般的なサイズであれば、一緒に後部座席に乗せる必要はありません。

出発

タクシーに無事乗り込むことができたら、目的地を告げて出発します。

主要な駅や観光地であれば場所の名前を告げるだけで大丈夫ですが、そうでない場合はしっかり住所を伝えましょう。

一般のタクシー運転手は外国語を話せないので、スマートフォンの画面や小さな紙などで日本語で書かれた住所を見せてあげるのが一番簡単です。タクシー運転手が知らない場所だった場合でも、カーナビに入力してルート検索してくれるので問題ありません。

なお、乗車時はシートベルトを締めるのを忘れないようにしましょう。

降車

目的地周辺に着いたら運賃を支払い、タクシーを降ります。料金と支払いについては次項で詳しく説明していきます。

チップについて

日本にチップの文化はありませんので、提示された料金以上の金額を支払う必要はありません。

荷物をトランクに預けていた場合、取り出すのを忘れないようにしてください。

タクシー料金と支払い

タクシーを降りる際は、走行距離に応じて計算された運賃を支払います。その料金の仕組みと支払い方法について見ていきましょう。

タクシー料金の仕組み

一般的なタクシー料金は下記のように計算されます。

「初乗り運賃 + 走行距離に応じた運賃(+ もしあれば高速料金、迎車料金、予約料金)」

上記のほか、深夜帯は深夜料金として運賃が一般的に20%ほど高くなります。

初乗り運賃

初乗り運賃というのは、最初から設定されている固定の料金です。どんなに短い距離でタクシーを降りたとしても、この金額は支払わなければいけません。

初乗り運賃の額は地域やタクシー会社によって異なりますが、最初の1〜2kmの走行まで400円〜700円前後と設定しているところが多いです。

走行距離に応じた運賃

初乗り運賃の距離を超えたら、そこからは走行距離に応じて運賃が加算されていきます。

概ね200~300m進むごとに約80円ずつ上がっていくので、歩きでたどり着ける範囲まで来たら料金が加算される前にタクシーを降りるという人もいます。

初乗り運賃にこの金額を足したものが基本的なタクシー料金です。

タクシー料金を抑える方法

タクシー料金は人数に関わらず一定です。1人で乗るとかかった金額をすべて自分で支払わなければなりませんが、複数人で乗れば、その人数で料金を割ることができます。そのため、同じ方向へ行く友人などがいれば、一緒にタクシーに乗ることを提案してみても良いかもしれませんね。

高速料金

タクシーが高速道路を通る場合、高速料金の実費も支払う必要があります。

迎車料金

タクシーを電話やAppで配車した場合、追加の料金がかかります。大体400円前後であるところが多いですね。

予約料金

「いますぐタクシーが必要なので呼ぶ」のは配車になりますが、「特定の日時にタクシーを呼ぶ」というのは予約となり、配車とは別に扱われます。

この場合、一般的に迎車料金に加えて予約料金がかかります。こちらも金額は400円前後であるところが多いです。

深夜料金について

基本的に深夜帯はタクシー料金が高くなります。夜10時〜朝5時を割増にしているタクシー会社が多いので、この時間帯は高くなると覚悟しておきましょう。

これは固定の金額が加算されるわけではなく、運賃が20%ほど増加するというのが一般的です。

タクシーで利用できる支払い方法

日本のタクシーでは、主に以下のような支払い方法が利用できます。

  • 現金
  • クレジットカード
  • 電子マネー(SuicaやPASMO、QUICPayなど)
  • QRコード(PayPayなど)
  • タクシーチケット

しかし、現金以外に関しては受け付けていないタクシーもありますので、乗車時に確認しておきましょう。

タクシーの窓には、対応している支払い方法のステッカーが貼ってあります。

画像引用元:日本交通タクシー公式サイト

こうしたステッカーが確認できるタクシーなら安心ですが、不安な場合はタクシー運転手に直接聞いてみてください。

タクシーチケットとは?

タクシーチケットというのは、タクシー会社などから発行されている運賃精算に使えるチケットです。料金は基本的に後日まとめて請求されます。

日本交通のタクシーチケット 画像引用元:日本交通タクシー公式サイト

普通の人が手にすることはあまりありませんが、仕事の関係で手にすることなどがあります。

チケットの発行元によって対応しているタクシーが違うので、不安であれば、乗車時に自分の持っているタクシーチケットが使えるかどうか運転手に聞いてみると良いですね。

外国語対応可能な日本のタクシー

タクシーを使いたいけど日本語でのコミュニケーションが不安、という方のために、外国語対応を行っているタクシーを紹介します。

日本交通タクシー

画像引用元:日本交通タクシー公式サイト

日本交通は英語版ウェブサイトが用意されているだけでなく、英語対応可能な電話窓口を用意している点で外国人に非常におすすめです。

現金、クレジットカード、QRコード、電子決済と幅広い決済方法に対応しているのも嬉しいですね。

羽田空港・成田空港への定額タクシーや、東京観光タクシーのサービスも行っています。観光タクシーは英語と中国語が対応可能で、フランス語とドイツ語も日常会話レベルならOKとのことなので、英語圏でない人もぜひ利用してみてください。

MKタクシー

画像引用元:MKタクシー京都版公式サイト

京都や札幌、名古屋、大阪、神戸などのエリアで利用するならMKタクシーがおすすめです。多言語のウェブサイトを持ち、英語で接客ができるドライバーも在籍しています。

英語対応可能な運転手を希望する場合、下記ページから見積もり依頼を出しましょう。京都観光タクシーに関しては、中国語とフランス語に対応している運転手も一部いるようです。

日の丸交通タクシー

画像引用元:日の丸交通公式サイト

日の丸交通は外国人の運転手も在籍しているタクシー会社です。コールセンターで英語対応可能な人が空いていた場合、英語での電話問い合わせも可能です。

外国人運転手を希望する場合、下記のページから予約を進めていき、備考欄などに外国人運転手希望の旨を入力して予約しましょう。

なお、「Book without membership registration」から予約を進めれば会員登録は必要ありません。

まとめ

タクシーは他の交通手段が使えない時などに非常に便利なので、ぜひ使い方を覚えておきたいですね。

外国語対応のできる運転手はあまりおらず、予約できるとしても観光タクシーや空港からの定額タクシーなどに限られるケースがほとんどなので、日本語のみの運転手でも大丈夫なように準備をしておくと安心です。

逆に言えば、十分な現金を持っていて、かつ行き先の住所が日本語で書かれた紙やウェブページを出せる状態なら、あまり苦労せずにタクシーを利用できるでしょう。