文化

日本の畳のマナーと掃除方法

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日本では、ほとんどの人が家の中では裸足で過ごしています。

裸足で過ごす日本人の家で特徴的なものが「畳」です。畳を使った部屋は「和室」と呼ばれ、普段住む家だけでなく、ホテルやゲストハウスでも畳を使った和室があります。この記事ではそんな日本人に馴染み深い「畳」についてご紹介します。

畳とはなにか、畳の歴史、さらに知っておいた方が得をする畳のマナーについても解説します。畳のある家に住んでみたい、あるいはすでに住んでいるという方は、畳の掃除方法も参考にされてみてください。

畳の概要と歴史

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そもそも畳とはなにか、畳の歴史から特徴までをご紹介します。

畳とはなにか

畳とは和室に使用される床敷材料の一つです。木材を材料に使ったフローリングと違い、畳は「い草」を材料に使った床材です。

伝統的な日本の畳は、ワラを糸で固めた畳床(たたみどこ)を中芯にし、表面を「い草」で編んだ畳表(たたみおもて)でくるんでいます。形は主に長方形で、長辺に畳縁(たたみべり)とよばれる色や模様のついた縁を縫いつけています。

昔はワラや「い草」といった材料を用いていましたが、近年では木材チップや化学繊維を用いるなど、使用用途や要望にあわせて様々な種類の畳がつくられています。「い草」も日本だけでなく、近年では中国製のものも多く使われています。

日本の畳の歴史

日本の畳の歴史は古く、日本最古の畳は奈良時代のものとされています。

奈良時代は西暦710~794年で、歴史的な建築物として東大寺があります。東大寺はユネスコ世界遺産にも認定され、奈良の大仏と一緒に海外でも人気の観光スポットなので、ご存知の方も多いのではないでしょうか。

奈良時代からおよそ1300年もの間、畳は日本の文化として受け継がれているのです。

日本で畳が普及した理由

日本で畳が普及した理由の一つとして、日本の気候が挙げられます。

日本の気候の特徴は、1年を通じて湿気が多く、夏は暑く冬は寒いといった四季の影響が強いことです。こういった気候に対応するのに、畳は適した床材です。

畳には湿度を調節し、熱を遮断する効果があります。地面からの湿気を防ぎ、適切な温度に保ってくれる畳は日本の気候に適しています。奈良時代の貴族から始まり、江戸時代には一般庶民の間まで広く普及しました。

ところが高度経済成長時代になると、日本の家でも洋風化が進み畳の需要は減っていきました。これは畳や障子など、和室をつくる際のコストが洋室よりも高かったからとされています。

しかし、近年では畳の持つ機能が見直され、洋風の家でもいくつかの部屋を和室にするなど、畳の持つ価値が再認識されています。

日本で暮らす外国人や外国人観光客が増えたこともあり、日本の伝統文化を体験できる存在として、畳を使った和室を取り入れるホテルやゲストハウスも増えてきています。

畳の部屋でのマナー

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高度経済成長時代以降、畳の部屋が少なくなっていった背景もあり、日本人でも畳の部屋でのマナーを知っている人は少ないです。そのため、外国人の方が畳の部屋でマナー違反を侵しても、相手もそのことに気づかず、咎められないといったケースも多いでしょう。

しかし、畳の部屋でのマナーを重んじる人、特に伝統文化である茶道、華道といったものに関わりの深い人は畳の部屋でのマナーを重視しています。

そういった方と交流をもつときに、畳のマナーを知っていれば良い関係を築けるでしょう。ここではそのためのマナーをご紹介します。

畳の基本的なマナー

畳の基本的なマナーの一つが「畳の縁を踏まない」というものです。

冒頭で、畳には畳縁(たたみべり)とよばれる色や模様のついた縁を縫いつけてあるとご紹介しました。この畳縁を踏まないことが、畳の部屋の基本的なマナーです。

畳縁を踏まない理由は諸説ありますが、最も有力な説は畳の縁に家紋が入っていたからと言われています。

古くからの格式を重んじる家では、畳縁に家紋を縫いつけていました。これを踏んで歩くことはその家の象徴を踏んで歩くこととされ、非常に無礼な行為とみられたのです。

これが畳の縁を踏まないというマナーが定着した理由とされています。他にも畳の縁は傷みやすいため、畳を長持ちさせるために縁を踏まなかったという説もあります。

知っておくと便利な和室のマナー

その他、和室全般のマナーをご紹介します。

敷居を踏まない

敷居は部屋と部屋の境のことです。和室ならば襖とよばれる横にスライドさせるドアがあり、襖を通す足元の部分を「敷居」とよびます。

敷居を踏まない理由も、畳の縁を踏まない理由と同じです。

敷居はもともと家の中心にあり家の大黒柱につながっていることから、その家の主人と結びつけて考えられています。敷居を踏むことは一家の主人を踏むことと同じにみられるため、敷居は踏まずにまたぐことがマナーとされているのです。

座布団を踏まない

畳の部屋では椅子ではなく、座布団に座ることが多いです。椅子の代わりになるのが座布団とよばれるクッションのような存在です。

日本人ならば畳の部屋では座布団の上に正座をすることが多いです。座布団の上に座るときは足から踏みつけるのではなく、いったん座布団の横に正座して、膝から座るのがマナーとされています。

日本人でも正座に慣れている人は少ないので、外国人の方に正座を強要することは少ないと思います。それでも座布団を足で踏みつけるという行為は、行わないようにしましょう。

畳の掃除方法

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畳は湿気を防ぎ、部屋を快適に保ってくれる機能があります。反面、畳自体は傷みやすいという性質がありますが、しっかりと手入れをすることで何十年も使うことができます。

ここでは畳の基本的な手入れ・掃除方法や注意すべき点をお伝えします。

畳の基本的な掃除方法

畳の基本的な掃除方法は「掃除機を使う」「乾拭きをする」です。注意点とあわせてご紹介します。

掃除機を使う

畳の基本的な掃除方法は掃除機をかけることです。フローリングの部屋のように掃除機をかけます。

注意すべき点は、畳の目の方向にそって掃除機をかけることです。

畳の目に沿わずに掃除機をかけてしまうと、畳や縁が傷ついてしまいます。強くかけることもないようにし、目に沿って優しく掃除機をかけるようにしましょう。

乾拭きをする

畳は水分を染み込みやすい性質をもっています。雑巾掛けをするときは水に濡れた雑巾は使わず、乾いた雑巾を使うようにしましょう。

ジュースやコーヒーなど、飲み物をこぼしてしまうとシミになってしまうため、畳の部屋での飲食は注意が必要です。

万が一、飲み物をこぼしてしまったときは固く絞った雑巾で水拭きをします。畳の目に沿ってこぼした飲み物の後を拭き取り、最後に乾拭きをして水分を取り除きましょう。

畳を使用するときの注意点

その他、畳を使用する際の注意点についてもご紹介します。

カーペットや絨毯を敷かない

畳はそれ自体に湿度を調節する役割があります。しかし、畳の上にカーペットや絨毯が敷いてあると、水分が逃げていかず、ダニやカビが発生する原因となります。

畳の上にはカーペットや絨毯、物を置かないようにしましょう。

重曹を使わない

キッチンの油汚れやフローリングの皮脂汚れを取り除く方法として、重曹を使う方法があります。しかし、畳に重曹を使うのはNGです。

重曹が「い草」の天然成分を黄ばませてしまい、畳の中に残ると黒ずみの原因となります。畳についたしつこい汚れを取り除きたいときは、クエン酸を使うようにしましょう。

まとめ

畳は古くから日本の家に使われており、最も身近に感じられる日本の伝統文化です。

多くの家がフローリングを使った洋室の造りになっていますが、「畳はやっぱり落ち着く」と感じる日本人も多くいます。

一見すると難しく感じるマナーや掃除方法ですが、基本的なことを押さえておけばそれほど難しくはありません。畳の部屋を使うときば、この記事に書かれていることを参考にしてみてください。

これから日本で住む家を探すという方は、畳のある部屋を探してみるのも面白いのではないでしょうか。

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