文化

日本の「丑の日」とうなぎを食べる風習

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毎年夏の時期になると、「土用の丑の日」という言葉を目や耳にするようになります。日常生活では聞かない言葉でもあるので、気になっている外国人の方も多いのではないでしょうか。

今回は、この丑の日がどういった日なのか、そしてどんな風習があるのかについてご紹介していきます。

丑の日とはどんな日?

「丑の日」とは、日にちを十二支に当てはめて数えた時に「丑」が当てはまる日のことを指します。「土用の丑の日」以外ではあまり耳にすることがないかもしれませんね。

土用というのは、季節の変わり目である立春・立夏・立秋・立冬の前の18〜19日間を指す言葉です。こちらもあまり日常生活では聞かないので、意味を知らない日本人も少なくありません。

というわけで、よく耳にする「土用の丑の日」とは、季節の変わり目の直前の期間(土用)にやってくる丑の日のことを言っているのです。夏のイメージが強いですが、どの季節にも土用の丑の日はあります。

夏の土用の丑の日

土用の丑の日は、とりわけ夏が有名です。この日はうなぎを食べるという風習があるため、スーパーマーケット等で土用の丑の日にあやかってうなぎが大売り出しされているのを目にする機会も増えるでしょう。

ただ、天然うなぎの本当の旬は秋から冬にかけてということもあり、冬の土用の丑の日にもうなぎを食べる風習を広めようとする動きもあるそうです。

ちなみに、2020年の夏の土用の丑の日は7月21日です。興味があれば、この日はぜひうなぎを食べてみてください。

夏の土用の丑の日にうなぎを食べる理由

土用の丑の日のうなぎ

前項でもお伝えした通り、主に夏の土用の丑の日には、多くの人が風習としてうなぎを食べます。

なぜこうした風習が広まったのかについては諸説あります。夏とうなぎの結びつきに関しては、日本に現存する最古の和歌集である万葉集で「夏痩せにはうなぎが良い」という内容の歌が詠まれたことに端を発するという話があります。

また、一般に広まったのは、エレキテルの復元で有名な平賀源内のおかげだったという説がよく言われています。彼が鰻屋から「夏になると売り上げが落ちる」という旨の相談を受け、それならと「本日丑の日」と書いてうなぎを勧める掲示を提案したのが最初だったと言われているのです。

上記はいくつかある説のうちの一つにすぎませんが、可能性として知っておいても良いかもしれませんね。

うなぎの栄養

土用の丑の日にうなぎを食べる理由の一つとして、「うなぎは栄養価が高く、夏バテ防止や疲労回復に役立つから」という話もあります。ビタミンAやB群を豊富に含むとされるうなぎを食べると、夏場も元気に過ごすことができると信じられているのです。

夏になると疲れてしまうという方は、うなぎを食べてみると良いかもしれませんね。

ただし、前述の通りうなぎの旬は秋から冬にかけてなので、夏は冬に比べて味が落ちるとも言われています。そのため、あくまでも季節イベントの一環として食べるのがおすすめです。

うなぎを食べることができるお店

土用の丑の日が近くなると、スーパーマーケット等でもうなぎを購入することができますが、ここではそれ以外のうなぎを楽しめるお店を紹介します。

わたべ

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画像引用元:わたべ公式サイト

東京都文京区にあるうなぎ専門店です。専門店ならではの上質なうなぎを食べることができます。

日本にいる間に、一度はこうしたお店でうなぎを食べてみたいですね。

川豊

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画像引用元:川豊公式サイト

千葉県成田市にあるうなぎの専門店です。創業100年以上という老舗の味を楽しむことができるお店として、人気を博しています。

成田国際空港から車で約20分程という場所にあるので、観光で日本に来た人も比較的アクセスしやすいのではないでしょうか。

うなぎ徳

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画像引用元:うなぎ徳公式サイト

全国に複数店舗を構えるうなぎ専門店です。東京や京都、大阪、福岡などに店舗があります。

商業施設の中に入っていることが多いので、他の専門店に比べて入店のハードルが低く感じるかもしれませんね。

うなぎ以外の土用の丑の日の食べもの

土用の丑の日には、うなぎに限らず「う」のつく食べ物を食べると良いとされています。

たとえば以下のようなものが挙げられますね。

  • うどん
  • 梅干し
  • ウリ(きゅうりなど)

近場のスーパーにいけばほぼ必ず手に入るものばかりです。うなぎは高いので、代わりにこうしたものを食べてみても良いかもしれません。

うなぎ以外の丑の日の風習

うなぎを食べる以外の風習も紹介しておきます。それぞれ知名度はあまり高くありませんが、興味を持てるものがあればぜひ実践してみてください。

丑湯

丑の日に夏バテ防止等のために入る、薬草を入れたお風呂のことを丑湯と呼びます。

薬草には桃の葉や緑茶、ドクダミなどが使われたそうですが、種類にこだわる必要はありませんので、手に入るものでやってみてください。気分だけでも楽しみたいという方は、入浴剤でも良いかもしれませんね。

また、温泉地ではこの夏の土用の丑の日の時期に、丑湯まつりというお祭りが催されることもあります。地域密着型のイベントに近いものなので、住んでいる場所の近くで開催されるという人は行ってみてください。

きゅうり加持

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画像引用元:善通寺公式サイト

きゅうり加持は、暑い夏を乗り越えるために行われる祈祷儀式です。きゅうりに疫病や災厄を封じ込めてお供えし、健康を祈ります。

どこでもやっているわけではありませんが、たとえば香川県にある善通寺が土用の丑の日に行っていて、500円の祈願料で参加できます。

まとめ

一年に何度も訪れる丑の日。中でも夏の土用の丑の日は広く知られていて、うなぎを食べる風習があります。値段が高くて普段なかなか手が届かないうなぎも、この日くらいはということで食べている人も多いでしょう。

うなぎに限らずとも、うのつくものを食べたり、丑湯に浸かったりという楽しみ方もあります。季節のイベントの一つとして、ぜひ生活に取り入れてみたいものですね。

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