この記事では、日本で暮らしている外国人に向けて、日本のマイナンバー制度について解説していきます。
マイナンバーは日本で生活していくうえで欠かせない、ということは知っているかもしれませんが、この記事ではなぜマイナンバーが必要になるのかについても触れています。
また、マイナンバーカードの申請方法についても取り上げているので、ぜひ参考にしてみてください。
マイナンバー制度の概要
マイナンバーは12桁の個人番号のことで、日本に住民登録をしている全ての方が所有しています。これは外国人の方であっても同じです。
マイナンバーは原則として一度発行されたら、生涯同じ番号を使っていくことになります。外国人の方が一度帰国して再び日本に来た場合でも同じ番号が使われるので、番号を漏らしたりすることのないように注意してください。
マイナンバーと混同してしまいそうになるのがマイナンバーカードです。マイナンバーカードは、マイナンバーが記載されたカードのことです。
顔写真付きの身分証明書として活用できるほか、各種手続きも行えます。
マイナンバーカードの有効期間は、発行から10回目の誕生日(20歳未満は5回目の誕生日まで)です。ただし外国人の場合は少し異なります。
- 永住者、高度専門職第2号、特別永住者は10回目の誕生日まで
- 上記以外の中長期在留者や仮滞在許可者などについては、それぞれ有効期間が異なる
なお、マイナンバーをお知らせするカードのことを通知カードと言います。この通知カードでも自分のマイナンバーを確認できる他、こちらを使っても各種手続きを行うことが可能です。
ただし、通知カードは2020年5月25日をもって廃止になり、現在では個人番号通知書という書類に変わっています。これからマイナンバーを取得する外国人の方は、この通知書で自分のマイナンバーを把握することになるでしょう。
ここまで読んで「そもそもなぜマイナンバーが必要なの」と思った方もいるかもしれません。
マイナンバーは、社会保障・税金・災害対策の分野において各個人の情報が同一人物の情報であることを確認する際に活用されます。
これまで、各分野間で個人情報の確認を行うためには、住民票コードや基礎年金番号、さらには健康保険の被保険者番号など、様々な番号を駆使していましたが、非常に時間と労力のかかるものでした。
この負担を軽減するために導入されたのがマイナンバーです。マイナンバーのもとで各情報を一元管理できれば、個人の特定を素早くかつ正確に行うことができるということなのです。
マイナンバーカードの交付手続き
続いて、マイナンバーカードを交付する際の手続き内容について解説します。
マイナンバーカードの申請に関しては、以下のように、いくつかの方法が用意されています。
- オンライン申請(パソコン、スマートフォン)
- 証明写真機での申請
- 郵便での申請
スマートフォンやPCを使用したオンライン申請は、各申請方法の中でも比較的早くマイナンバーカードが手元に届く申請方法です。
通常は手元に届くまで3〜4週間程度かかりますが、オンラインならこれを数日程度短くすることができます。
スマートフォンを使う場合
スマートフォンでの申請手順は以下の通りです。
- 交付申請書のQRコードから申請用WEBサイトにアクセスする
- 画面の内容に沿って申請書ID、メールアドレスなど必要事項を入力し、顔写真を添付し送信する
- 申請完了
交付申請書については、「郵送による申請」の項目で紹介します。
申請が完了すると、登録したメールアドレスに申請完了の旨のメールが届きます。
パソコンを使う場合
- 顔写真を撮影してパソコンに保存する
- マイナンバーカード交付申請を行うWebサイトにアクセスする
- 内容に沿って必要事項を入力して撮影した顔写真を添付して送信
- 申請完了
パソコンの場合も、大まかな手順はスマートフォンを使う場合と同じです。ただ顔写真をスマートフォンやデジタルカメラなどで事前に撮影しておく必要がある点が異なります。
証明写真機での申請
街中でよく見かけ、アルバイトの履歴書や免許証、パスポートの申請などで使用する証明写真機からでもマイナンバーカードの申請を行うことができます。手順は以下の通りです。
- タッチパネルで「個人番号カード申請」を選択する
- 撮影用のお金を入れたうえで、交付申請書のQRコードをバーコードリーダーにかざす
- 画面に従って、必要事項を入力して顔写真を撮影して送信する
- 申請完了
なお、全ての証明写真機でマイナンバーカードが申請できるわけではありません。以下の企業の提供する証明写真機に限られます。
- 株式会社DNPフォトイメージングジャパン
- 日本オート・フォート株式会社
- 富士フイルム株式会社
- 三吉工業株式会社
- 株式会社プラザクリエイト
郵便による申請
住民票の住所に届く「個人番号カード交付申請書」を使って郵便による申請を行うこともできます。
手順は以下の通りです。
- 住民票の住所に「個人番号通知書」と「個人番号カード交付申請書」が届く
- 個人番号カード交付申請書に必要事項を記入し顔写真を貼り付ける
- 送付用の封筒に入れて投函する
- 申請完了
「個人番号カード交付申請書」に関しては、以下のような情報を記入することになります。
- 氏名、住所など
- 日中につながりやすい電話番号
- 外国人住民の区分(外国人住民の方のみ)
- 点字表記の希望の有無(希望する場合は□を黒く塗りつぶす)
- 申請日
- 申請者氏名 (署名、記名・押印のどちらか)
- 顔写真の貼付
- 代理人記載欄(15歳未満の方や成年後見人の方が申請を行う場合に記入)
なお、マイナンバーに関して不明点がある場合は、以下の内閣府のサイトで詳細を確認することができます。
マイナンバー制度の基本的な情報から、マイナンバーカード・マイナンバーポータルについての解説、よくある質問とその答えなどを確認可能です。
また、英語をはじめとして中国語、韓国語、スペイン語、ポルトガル語での解説も記載されているので、外国人の方でも安心して利用することができます。
まとめ
今回は、日本のマイナンバー制度に関して、その概要からマイナンバーカードの申請方法などについて解説しました。
マイナンバーは日本で生活する上で何かと使用するものです。特に仕事や留学で滞在している人は「マイナンバーを提出してください」と求められることも少なくないでしょう。また、マイナンバーカードは身分証明書としても利用できるので、作成しておくと非常に便利です。
作成はいくつかの方法で行えるので、ぜひ自分のやりやすい方法で申請してみてください。