日本を代表する山々の中で、やはり象徴的であるのが富士山です。毎年多くの外国人が登山に訪れる富士山の美しい景観には、日本人でも格別な思い入れがあります。
特にカメラ好きな人々からすれば、空気が澄む冬の富士山は絶好のシャッターチャンス。毎年各地で多くの人が富士山を撮っています。
今回は、そんな富士山がどういった山なのかについて紹介します。
富士山の概要
富士山は山梨県と静岡県の県境に位置する活火山です。富士山の8合目より上はどこの県にも属さず、頂上にある神社の所有地とされています。
標高は日本の山の中では最高峰である3,776m。2013年には世界遺産にも登録され、以前にも増して世界中の人々が富士山を知ることになりました。
登山が可能になるのは、夏の間と短い期間のみですがこの期間に数多くの登山客が訪れています。山梨県から見た富士山と静岡県から見る富士山は景観が違うので、それぞれの魅力を楽しむことができます。
前述のように富士山は活火山です。最近の噴火は1707年と、300年以上前になるのですが、その時は江戸(現在の東京都)にまで約4cm程の火山灰が積もったそうです。現在でも噴火の恐れは残されており、引き続き研究が進んでいます。
様々な富士山の表情
富士山は、季節や太陽の昇り沈みで様々な表情を見せてくれる神秘的な山です。その中には特別な名前が付いている風景もあり、古くから日本人に愛されてきている様子が伺えます。
- 赤富士(夏の朝、露出した山肌が朝焼けにより赤くなった姿)
- 紅富士(雪化粧をした富士山が朝日や夕焼けで紅色に染まる姿)
- 逆さ富士(波立ちが立たない水面に映る逆さ富士山の姿)
- ダイヤモンド富士(太陽が昇ったとき又は沈むとき、太陽が富士山の頂上と重なり富士山の頂上付近がダイヤモンドに光る現象)
- 影富士(朝日や夕日などで富士山の影が映し出されるという現象)
- 笠雲(富士山の頂上に傘をかぶせた雲がある風景)
赤富士は葛飾北斎を始めとして数多くの人が絵画として残していて、上記の絵などは目にしたことのある方も多いかもしれませんね。
また、日本のお札には逆さ富士のデザインが採用されています。千円札の裏側に見つけられますので、本物と見比べてみるのも楽しいでしょう。
このように富士山は様々な表情を見せてくれる山です。これこそが日本人が富士山を愛してやまない理由の一つではないでしょうか。
富士登山とツアーについて
日本最高峰の山にぜひとも登山してみたい! という夢を持つ外国人の方も多いのではないでしょうか。日本人でも「一生に一度は登頂したい」と思う方は多いようです。
富士登山を希望する場合、まずは基本情報を富士登山オフィシャルサイトでチェックしてみましょう。複数の言語に対応しています。
山開きはどこから登るのかで変わってくるのですが、一番早いのは山梨県側の吉田ルートで7月1日です。それ以外の須走・御殿場・富士宮ルート、いわゆる静岡県側は全て7月10日が山開きとなり、閉山は9月10日と山梨側・静岡側共に同じです。
富士登山に向けての準備
富士山は魅力的な山ですが簡単に登れる山ではありません。しっかり事前に情報収集をお願いします。
引用元:富士登山オフィシャルサイト
オフィシャルサイトに書かれているように、富士登山は簡単ではありません。自分の身の安全のために、しっかりと準備をしてから臨みましょう。
所持品としては以下のようなものを用意しておくと良いですね。
- 山登り専用の靴
- 長袖などの防寒具
- 雨具(セパレート式が好ましい)
- 日よけのつばが広い帽子
- ヘッドランプ
- 水や手軽に食べられる食品
- 現金(小銭)
- 地図
- サングラスや日焼け止め
- 常備薬
- 健康保険証
- ファーストエイドキット
- タオルや防水バッグ
これらの基本セットに加え、万が一の噴火に備えてヘルメットや防塵対策マスク、ゴーグルなどもあるとなお良いです。
あると便利なものとして、ストックやアイマスク・耳栓、カイロなどが挙げられています。富士山頂付近は夏でも気温が零度近くまで下がりますので、防寒具は必須のアイテムです。
そして何よりも大切なのが登山靴です。近年ではサンダルや運動靴で登山を試みる人が多く、注意が呼び掛けられています。靴底が分厚い登山用の靴を必ず履きましょう。
外国人の方向けツアーについて
近年、日本では外国人の方が多く富士登山に挑戦しています。そこで各旅行会社や旅行関係会社、更には現地の登山ガイドツアーを販売しているところでは、外国人の方向けのツアーを用意するところが増えてきました。
自国で登山を普段から行っているベテランであっても、他国の山を登山するにあたっては言語が不安だったりしないでしょうか。日本に何度も訪れているということでない限り、ツアーで登山することをお勧めします。
富士登山をメインにしたツアーから、登山と観光を一緒に行う長期のツアーなど様々なツアーが用意されていますので、まずは検索してみてはいかがでしょうか。
なお、2020年は新型コロナウイルスの関係で、全ての登山道が閉鎖という日本で初めての事態となりました。
富士山周辺の観光スポット
富士山周辺は、色々な観光スポットも充実しています。活火山の周りなので温泉も多く、東京からもアクセスしやすい立地のため、毎年多くの観光客が訪れます。
富士登山しなくても近くで見たいから付近に観光に来る、という方におすすめのスポットをご紹介します。
静岡県富士山世界遺産センター
まずは、静岡県富士山世界遺産センターです。富士山が世界遺産に登録され、訪問客が増えたことをきっかけに2017年に誕生した、富士山の歴史を知ることができるセンターです。
このセンターのは景観が非常に美しいことでも話題になりました。テラスからは富士山を眺望することができます。
富士五湖
富士山を美しく観たいという方は、富士五湖への観光はいかがでしょうか。
富士五湖というのは富士山麓にある五つの湖の総称で、逆さ富士で知られる本栖湖もそのうちの一つです。本栖湖は富士山の噴火によって形成された湖で、世界文化遺産の構成資産に登録されています。きっと素敵な写真が撮れるでしょう。
忍野 しのびの里
日本に興味がある外国人の方には、忍野 しのびの里も非常におすすめです。忍者衣装に着替えたり、手裏剣や吹き矢を体験したりと、忍者文化に深く触れることができます。
家族全員で楽しめるスポットなので、ぜひお子さんと一緒にどうでしょうか。
まとめ
富士山の魅力は写真や絵を通しても伝わりますが、実際に見るとより壮観です。登山は簡単ではないですが、観光で近くに寄るだけでもその力強さを感じることができます。
世界遺産として日本人のみならず世界中の人に愛されている富士山を、ぜひ一度訪れてみてください。