日本には高級なお菓子からリーズナブルな価格で買えるお菓子まで、多種多様なお菓子があります。そのなかでも、子どもたちを中心に親しまれている、小銭ほどの金額で購入できるお菓子は「駄菓子」と呼ばれています。
子どもたちはもちろん駄菓子が大好きですが、大人でも幼い頃を思い出して懐かしい気分に浸れることもあり、幅広い世代に愛されています。
各メーカーが手掛ける駄菓子には、さまざまな工夫が凝らされており、安いからといってあなどることはできません。ここでは日本で特に人気のある駄菓子を取り上げますので、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。
駄菓子とはどんなもの?
駄菓子の起源は古く、江戸時代(1603年-1868年)には存在していました。大名や武士が食べる上白糖が使われた高級なお菓子が「上菓子」と呼ばれていたのに対し、庶民が食べるお菓子には雑穀や黒糖、水飴が使われ、「一文菓子」や「雑菓子」と呼ばれていたのです。こうした安物のお菓子がまとめて駄菓子と呼ばれるようになっていきました。
第二次世界大戦後になると、子どもの数が増えたことで駄菓子の需要が高まり、さらに発展していきます。
駄菓子は、子どもたちが学校帰りなどに、お小遣いの中から小銭を出して買いに行くような場面を想定して作られています。そのため、現在でも安いものは5円から、高くても50円ほどで購入できるような商品がほとんどです。くじ引きやおまけがついていたり、パッケージはカラフルで可愛らしいキャラクターが印刷されていたりと、子どもたちが夢中になるような仕掛けがほどこされているのも特徴です。
人気の駄菓子10選
一口に駄菓子と言っても、スナック菓子やチョコレート、ゼリーなどその種類や味わいは多種多様。特に人気のある駄菓子を10種類ほど取り上げましたので、お店で見つけたらぜひ注目してみてください。
うまい棒
1979年に誕生した棒状のスナック菓子で、サクサクとした食感とバラエティ豊かな味のラインナップが特徴。販売当初から現在まで1個10円という手頃な価格で販売されています。
定番のチーズ味やトンカツソース味に加え、コーンポタージュ味、納豆味、たこやき味など変わり種もあり、全部で約20種類の味がありますので、色んな味を試してお気に入りを見つけてみてください。
コンビニエンスストアやスーパーでも販売されている、入手しやすい駄菓子の一つです。
よっちゃんイカ
1977年から販売されているロングセラー商品です。製造しているのはイカの食品加工会社で、こちらの商品も甘酢で味付けされたイカを原料としています。
薄いシート状になっており、さっぱりとした味わいで噛みごたえもあり、お酒のおつまみとしてもぴったり。辛口、甘辛など味のバリエーションもあります。
蒲焼さん太郎
なんか蒲焼さん太郎が
— 翔@迷走中 (@z33turuturu) September 15, 2020
食べたくなったから
コンビニで買った(笑) pic.twitter.com/VLq9oDqlf2
うなぎの蒲焼のような風味を10円で味わうことができる駄菓子です。あくまでうなぎの蒲焼風のおやつで、実際には魚のすり身を加工して作られています。食感は実際のうなぎよりは固めです。
ビッグカツ
見た目と味がカツにそっくりのお菓子です。こちらも実際には肉を使用しているわけではなく、スケトウダラなど白身魚のすり身とイカの粉末を使用しています。
小腹がすいたときにぴったりのおやつです。みそカツ、カレーカツなど、定番のビッグカツをアレンジした他の味の商品も存在します。
こんにゃくゼリー
こんにゃくゼリー極めし者だけど異端か? pic.twitter.com/1CwWYHA9eu
— 🔥🍁🔥ほむりりい🍁🔥🍁🐸 (@homulilly14) August 7, 2020
原料にこんにゃく芋粉を使用した棒状のゼリー。黄色やピンク、水色などに着色されており、目を引くカラフルな色合いは子どもたちにも大人気です。
冷やして食べるのもおすすめですが、凍らせるとさらに異なる食感を楽しむことができます。
ブラックサンダー
根強いファンの多い「ブラックサンダー」は、チョコレートを使用したお菓子。ココア味のクッキーとプレーンのビスケットがチョコレートでコーティングされていて、噛みごたえのある食感が魅力です。やや苦味のあるココアクッキーを使っているため、絶妙なバランスの甘さが幅広い層に支持されています。
大変人気のあるお菓子で、2017年には年間販売個数が1億6,500万個を超えたほどです。
チロルチョコ
日本人なら誰もが知る一口サイズの小さなチョコレート。定番はミルクチョコレート味やアーモンド入りの商品などですが、最近ではきなこもちが入っている和風のチョコレートが人気商品となっています。
豊富なバリエーションが特徴で、これまでに発売された種類の数は300を超えるほど。味によって大きく異なる、可愛らしい包装紙のデザインも目を楽しませてくれます。
ブタメン
お湯を注いで食べる小さなカップヌードル。カップには可愛らしい豚のイラストが描かれています。定番商品のとんこつ味がもっとも流通していますが、しょうゆ味、タン塩味、カレー味の種類があります。小学生のおやつとして大人気です。
ベビースターラーメン
「ラーメン」という名前がついていますが、こちらは基本的にはお湯を注がず、スナックとして食べるためのものです。チキンをベースにしたシンプルな味つけですが、飽きずに食べられる魅力があります。
ベビースターラーメンが発売されたのは1959年のこと。即席麺を作る工程で出たかけらに味付けをしたものを、従業員のおやつとして配ったところ好評で、ついには商品化することに。現在では麺の形状が異なるものや地域限定商品など、多様な商品展開をしています。
ラムネ
「ラムネ」とはさっぱりした味わいの瓶入り炭酸飲料のことを意味しますが、錠剤のようなかたちをしたお菓子のこともラムネと呼ばれています。森永製菓の製造するラムネは、ラムネ飲料が入っている独特なガラス瓶によく似せた形の容器に入っており、爽やかな甘さが特徴。
子ども向け商品として発売されていたものですが、近年では原料として使用しているブドウ糖の脳へのよい働きが注目され、集中力を高めたいビジネスパーソンや受験生の間でも話題になっています。気分転換したいときには特におすすめのおやつです。
駄菓子はどこで買える?
駄菓子を売っている場所と言えば、駄菓子屋。昔は学校の近くや通学路などに駄菓子屋があり、放課後の子どもたちで賑わう様子がよく見られました。残念ながら駄菓子屋は徐々に姿を消しつつありますが、駄菓子の人気は健在で、売れ筋の商品はコンビニエンスストアやスーパーの店頭でも簡単に見つけることができます。
また「おかしのまちおか」という菓子専門店に行けば、入手できる駄菓子もありますし、最近では大型のショッピングモールの中に駄菓子を販売するお店が入っているケースもあります。
実際に店舗を訪れなくても、楽天ショップやAmazonなど、オンラインで購入する方法も。一度にたくさんの量を購入したい場合や、いろいろな種類の駄菓子の入った詰め合わせを購入したいときには良いでしょう。
さらに東京と大阪には、時間制で駄菓子が食べ放題の「駄菓子バー」もあります。昭和時代(1926年-1989年)を思い起こさせるレトロな空間が用意されており、駄菓子屋の雰囲気も感じてみたいという方にはおすすめです。
まとめ
高級なお菓子もよいですが、駄菓子には子どもだけでなく大人も夢中になれる魅力が詰まっています。お手頃価格かつ小さなパッケージで販売されているため、たくさんの種類を少しずつ味わえるのも利点です。
駄菓子を持ち寄ってパーティーを開けば、きっと盛り上がることでしょう。お気に入りの駄菓子を見つけて、楽しいひとときを過ごしてください。