家探し

外国人が日本で家を探す際の流れと覚えておくべき用語

apartment search

中長期滞在で日本に来た外国人は、滞在中に住む家を探す必要があります。

寮が用意されている場合は別として、通常は不動産仲介業者の手を借りて物件を探していくことになりますが、敷金や礼金の文化がない国から来た人などは戸惑うことも多いでしょう。

このページでは、日本における家探しの流れと、その際に出てくる用語の解説をしていきます。

日本の賃貸物件の傾向

Japanese hosue

家探しをするにあたって、日本における賃貸物件の傾向を知っておくと便利かもしれません。

まず、単身の場合は1Rか1Kに住んでいる人が多いです。敷地面積は20平米前後というところが多いですね。東京ならこれだけで7~8万円くらいの家賃になります。

渋谷や新宿、東京駅に近いようなエリアはさらに家賃相場が高く、上記の条件で10万円前後になるところもあります。逆に、そういったエリアから離れていくと家賃はだんだん下がっていきます。

また、バス・トイレ別の場合は家賃がさらに上がります。ユニットバスでも気にしないという人であれば、家賃を比較的低めに抑えることができます。

ファミリーの場合は人数にもよりますが、1LDK以上の物件に住みたいところですね。

日本での家探しの流れ

日本での一般的な家探し(賃貸)の流れは以下の通りです。

  1. 希望するエリアを大まかに決める
  2. 希望する地域に強い不動産仲介業者を探す
  3. 仲介業者に希望する条件を伝え、物件を探してもらう
  4. 物件の内見を行う
  5. 物件に申し込みを入れ、審査へ進む
  6. 重要事項説明と契約手続きを行う
  7. 入居日に鍵を受け取る

それぞれ詳しくみていきましょう。

希望するエリアを大まかに決める

city to live

まずは家を探すエリアを決めていきます。日本に働きに来た外国人であれば、なるべく勤務先から近いところが便利ですね。

都心に近くなるほど家賃も高くなりますが、このタイミングでは大まかなエリアだけ決めれば大丈夫です。後ほど不動産仲介業者の担当者と相談しながら、具体的な場所を決めていくことになります。

ちなみに、特定の国籍の外国人が集まるエリアもあります。たとえば、東京都江戸川区の西葛西エリアはインド人が多いことで知られています。自分と同じ国の人が近所に多いというのは安心できますから、もしそういったエリアがあれば検討しても良いですね。

また、これは完全に余談ですが、社長クラスの外国人がよく住むエリアは広尾です。東京都港区にある高級住宅街で、家賃100万円という物件もある場所です。

希望する地域に強い不動産仲介業者を探す

大まかなエリアが決まったら、そのエリアに対応している不動産仲介業者を探しましょう。現地の駅前などに行けば、小さな会社から全国展開の会社までオフィスが並んでいます。

仲介業者は物件の図面をずらっと並べているのが一般的なので、探すのに苦労はしません。数が多すぎる場合は、同じエリアに住む同僚などにおすすめの業者を聞いても良いですね。

東京なら、英語対応可能な不動産仲介業者も何社か存在します。こういったところを選べば、日本語が得意でなくても安心ですね。

なお、不動産仲介業者は必ず一社に絞らなければいけないわけではありません。最初に依頼した一社で満足できなければ、他の業者に家探しを手伝ってもらっても問題ありません。

仲介業者に希望する条件を伝え、物件を探してもらう

仲介業者が決まったら、担当者と「どんな物件を探すか」のすり合わせをしていきましょう。

すべての希望を叶える物件が見つかることはあまり多くなく、基本的には優先順位づけの作業となります。

十分な広さと設備のある物件を都心のエリアで探すと、だいたいは家賃が高くなって予算をオーバーします。逆に家賃を最優先にすると、狭かったり設備が満足いかなかったり、勤務先から遠くなってしまったりということになりがちです。

「これだけは絶対譲れない」というものを決めて、それ以外はどの程度まで妥協できるかも話し合いましょう。条件ごとの家賃相場も、不動産仲介業者の人が教えてくれるはずです。

ここで話し合った内容をもとに、仲介業者の人はデータベースから候補となる物件を探し、図面などの情報を共有してくれます。

物件の内見を行う

naiken

物件候補が出揃ったら、実際に業者の人と内見に行きます。部屋を見るのも大事ですが、図面だけではわかりにくい以下のようなポイントもしっかり確認しましょう。

内見時にチェックするポイント:
  • 騒音の有無
  • 日当たり
  • 携帯電話の電波状況
  • 街の雰囲気
  • コンビニやスーパーへのアクセス

内見時、持っていくと便利なのがペンとメジャーです。ペンがあると、図面に気になったポイントなどをメモできるため、後で比較するときに役立ちます。

メジャーは、物件の部屋の幅を測っておくために必要です。入居前に家具や家電を用意する際、どのサイズまでなら置けるかを知っておくと安心して購入できます。もちろん、幅を測るのは気に入った物件だけで構いません。

ちなみに、物件は基本的に早い者順なので、迷っているうちに他の人に先に申し込まれてしまうこともあり得ます。本当に気に入った物件なら、思い切って決断するのも時には大切です。

物件に申し込みを入れ、審査へ進む

気に入った物件が見つかれば、不動産仲介業者にその旨を伝え、申し込みをしましょう。

これによって物件の大家(あるいは管理会社)側で審査が行われ、無事に審査に通れば契約へと進むことができます。

この審査のために、保証会社と契約する必要がある場合も多いので、求められた場合は保証会社にも申し込みをしましょう。

残念ながら審査に通らなかった場合、再度物件を探すことになります。このリスクをケアするため、内見した物件の中から第二希望も出しておくことがあります。

重要事項説明と契約手続きを行う

lease contract

審査に通過した場合、契約手続きを進めていくのですが、このとき「重要事項説明」というものが行われます。

これはその名の通り、物件や契約について重要な事項を借主にしっかり説明するという場で、資格を持った担当者が物件の設備や費用、契約の注意点まで詳しく説明していきます。

とても大事なプロセスになりますので、先方に外国語対応のできる人がいない場合は、通訳できる人を連れていきましょう。

重要事項説明を受けた上で契約内容に問題がなければ、契約書に署名・捺印を行います。

この際、火災保険にも加入することが必要です。賃貸アパートで火災を発生させてしまったときの保障になるので、こちらも済ませるようにしましょう。

契約に必要な費用もここで支払うことが多いので、準備しておいてください。

入居日に鍵を受け取る

house key

無事に契約を取り交わすことができたら、あとは入居日に鍵を受け取るだけです。

家探しの間に住んでいた短期滞在先を出る前に入居日を設定して、その日に荷物の搬入などを行う人が多いですね。電気・ガス・水道もこのタイミングで使用開始できるように手続きを進めておくとスムーズです。

家具家電が揃っていない状態では住みにくいので、短期滞在先の滞在期間が残っているうちに必要なものを買い揃えましょう。

家探しに関連する用語

家を探す際によく出てくる言葉とその説明をまとめました。

用語説明
敷金(Security Deposit)退去時の原状回復やクリーニングの費用として使われる前受金。費用を差し引いた残額があった場合は返還される。家賃の1~2ヶ月程度が設定されている物件が多い。
礼金(Key Money)物件の契約を行う際、大家に支払う謝礼金。金額は家賃の0~2ヶ月程度であることが多い。
共益費(Common Area Maintenance Charges)物件共用部の維持や修繕のために使われる費用。毎月かかるので、家賃 + 共益費を実質的な家賃と考えると良い。
更新料(Lease Renewal Fee)物件の契約更新を行う際に支払う費用。ほとんどの物件は2年更新のため、2年に一度はこの金額がかかる。
仲介手数料(Agent Fee)不動産仲介業者に対する報酬。物件が決まった際、家賃の1ヶ月分程度を支払うのが一般的。
鍵交換費用(Key Replacement Fee)以前の入居者が同じ鍵で入室できないように、鍵を交換するための費用。
消臭抗菌代(Sterilization Fee)部屋の消臭や抗菌を行うための費用。不要だとして費用から外してもらうよう交渉する人もいる。
重要事項説明(Important Points Explanation)略して「重説」と呼ばれることもある、物件入居に関する重要な事項の説明。賃貸物件の契約時には必ず有資格者によって行われる。
保証人(Guarantor)何らかの理由で家賃等の支払いが不可能になった契約者の代わりに費用を支払う保証をする人物。保証人の代わりに、同様の機能を持つ保証会社と別途契約することも多い。
残置物(Personal Property Abandoned by Previous
Tenant)
「残置」と呼ばれることも。以前の入居者が残した家具等のことで、物件の設備として提供されているものではない。使用しても良いが、壊れた際に大家側は修理・交換を行う責任を持たない。
定期借家契約(Fixed-term Lease Contract)略して「定借」とも呼ばれる。借りられる期間が決まっている賃貸物件で、原則として更新できない。

このほかに気になる言葉や疑問点が出てきたら、どんどん不動産仲介業者に質問しましょう。

まとめ

家探しは聞き慣れない言葉も多く難しいものですが、外国語対応できる不動産仲介業者を選べば一気に難易度が下がります。

おすすめのエリアから各物件の優れているポイント、逆に物件の悪いポイントまで、どんどん相談に乗ってもらいましょう。特に契約に関しては、不明点があれば恐れずに質問していくことが大切ですね。

満足できる家を見つけたら、日本での生活も楽しいものになります。本ページの情報を参考に、ぜひあなたにぴったりの家を見つけてみてください。

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