毎年5月5日にやってくるこどもの日。その名の通りこどもの幸福を願う日なのですが、それだけの日ではありません。
こどもの日が日本でどのような祝日として扱われているのか、また、行事としてはどのようなことを行うのか、詳しく確認していきましょう。
こどもの日はどんな日?
こどもの日は毎年5月5日の祝日で、ゴールデンウィークを構成する日でもあります。この日はこどもの幸福を願うとともに、母に感謝する日として祝日法で制定されています。
こどもの日 五月五日 こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する。
引用元:国民の祝日に関する法律
そもそも5月5日は端午の節句とも呼ばれており、古くから男の子のための節句として定着してきました。節句とは季節の節目の日のことで、以下が年間の5つの節句として「五節句」と呼ばれています。
- 1月7日 人日の節句
- 3月3日 上巳の節句
- 5月5日 端午の節句
- 7月7日 七夕の節句
- 9月9日 重陽の節句
特に男の子が生まれてから初めて迎える5月5日は、「初節句」としてお祝いをする家庭も少なくありません。女の子の初節句は3月3日の上巳の節句(桃の節句)に行います。
いまでは「こどもの日」として男女問わずお祝いをする5月5日ですが、初節句として祝う場合は男の子が主役となるのです。
こどもの日にやること
風習として、こどもの日には主に以下のようなことが行われます。
鯉のぼりを飾る
こどもが力強く育つよう願いを込めて鯉のぼりを飾ります。
上から黒、赤、青の順に鯉が並んだ鯉のぼりが一般的ですが、これは黒が父親、赤が母親、そして青がこどもを表していると言われています。
ただ、この配色でないといけないというものでもありません。ピンクやオレンジなどの色が入った鯉のぼりもありますので、あまりこだわらずに好きなものを選べば良いでしょう。
鯉のぼりは春分の日を過ぎたあたりから飾られはじめます。こどもの日が5月5日なので、ゴールデンウィークの終わり頃まで飾られているケースが多いですが、6月上旬くらいまで飾っている家庭もありますね。
飾る場合、強風で鯉のぼりが折れるなどして周囲に迷惑をかけてしまわないようにだけご注意ください。
内飾りを飾る
鯉のぼりだけでなく、家庭によっては内飾りとして鎧やかぶと、五月人形も飾ります。これらは災難から子どもを守ってくれる役目を持って飾られるものです。
コンパクトな兜飾りは特に人気が高いと言われていますが、買って用意するのが大変な人は折り紙で作るというのも一つの手ですね。
本格的なものを用意したい人は専門店で購入します。下記は一例です。
なお、当日だけ飾るのは縁起が悪いとされているので、多くの家庭ではこどもの日の数週間前から飾っています。
柏餅やちまきを食べる
こどもの日には、縁起物として柏餅とちまきを食べる風習があります。関東では柏餅、関西ではちまきを食べるところが多いのではないでしょうか。
柏餅は新芽が出るまで落葉しない柏の葉にあやかり、子孫繁栄を願って食べられています。
一方のちまきは、こどもの成長への願いと魔除けの意味合いが込められています。昔の中国で5月5日に川に身を投げた屈原(くつげん)という詩人へ向けた供物が悪い龍に横取りされてしまい、それに対抗するためにちまきの形にしたという故事がルーツと言われています。
なお、関東ではちまきといえば三角形の中華おこわを想像する人が多いですが、こどもの日に食べるちまきは細長いお団子です。こどもの日に食べるなら、細長い方を選びましょう。
柏餅やちまきを近所のスーパーなどで見かけることがあれば、ぜひ試しに食べてみてください。
菖蒲湯に入る
日本にはお風呂に入る際に湯船に浸かる文化がありますが、こどもの日はその湯船に菖蒲を浮かべた「菖蒲湯」につかる風習があります。
これは邪気を祓うと言われる菖蒲を入れた湯につかることで、無病息災を願っているのです。
こちらも5月5日が近くなると、スーパーなどで見かけることがあります。また、ネット通販では乾燥タイプや菖蒲の香りがする入浴剤も販売されています。
今年の5月5日は菖蒲を入れたお湯につかり、身体を温めてみてはいかがでしょうか。
こどもの日に行われるイベント
こどもの日には、鯉のぼりを掲げるイベントなどが開かれています。
下記はイベントの例ですが、中止になっている可能性がありますので、詳しくは各イベントの公式サイト等をご確認ください。
東京スカイツリータウン(R) こいのぼりフェスティバル [中止]
こどもの成長を願い、1,000匹を超える鯉のぼりが東京スカイツリータウン内の様々な場所に飾られるイベントです。
ゴールデンウィーク期間中には他のイベントも行われているため、この時期の東京スカイツリータウンはこどもから大人まで楽しむことができます。
春日部大凧あげ祭り [中止]
例年5月3日と5月5日には、江戸川の河川敷で大凧あげ祭りが開催されます。数ヶ月という期間をかけて作られた大凧が空を舞う姿を見に、10万人以上の見物客が訪れるイベントです。
大凧だけでなく、小凧や企業名の入ったコマーシャル凧も揚げられます。
こどもの国春まつり [中止]
こども向けの遊び場である「こどもの国」で5月3日から5月5日にかけて毎年開催されているイベントです。こどもの日にちなんで色紙で兜を折ったり、けん玉や大道芸に挑戦したりすることができます。
こども向けのイベントがたくさん揃っているので、小さいこどもがいる人は行ってみると良さそうですね。
まとめ
こどもの日は、こどもの幸福を祈りつつ母親への感謝も捧げる日です。特に男の子は、初めて迎える5月5日を初節句として祝われます。
日本では鯉のぼりを飾ったり、柏餅やちまきを食べたり、菖蒲湯につかったりと様々な風習があります。特に小さいこどもがいる家庭は、イベントとしてぜひ体験してみてください。